最低賃金平均1054円はいつから? これからも上がりそう?
2024年7月31日
最低賃金平均1054円はいつから? これからも上がりそう?
Q1 最低賃金が上がるって本当?
A1 はい。ただ最低賃金は都道府県ごとに決めています。厚生労働省の審議会は全国平均で1時間あたり50円を目安にあげ、1054円で議論が始まっています。4.98%と過去最大の上げ幅です。10月中に適用する予定です。
Q2 これで物価高にも対応できそうですか?
A2 難しいですね。実質賃金は5月まで26カ月連続してマイナスです。今期の春闘(大企業の労働組合)では平均賃上げ率は5.1%とほぼ水準は近づいてきています。ただ中小零細企業の賃上げ率は2.3%とまだ物価高には追い付いていません。非正規の人は最低賃金で働いている人も多いので、物価高にはなかなか追い付いていないのが現状ですね。
Q3 どこまで上がりそうですか?
A3 政府は2030年代半ばまでに平均1500円の目標を示しています。あと10年ほどもかけるのでしょうか。ちょっと長いですね。
Q4 世界的に見て日本の賃金は低いとよく言われますが、最低賃金も低いのですか?
A4 EUでは最低賃金をフルタイムの賃金中央値に対して60%以上にする案を採択しています。これで計算すると日本は45.6%、ドイツ52.6%、イギリス58%、フランス60.9%です。ちなみに欧米諸国は1500円をすでに越しており、スイスは約4000円、オーストラリアが2500円、アメリカが2400円、イギリス・ドイツは約2100円なので、日本の最低賃金がいかに低いかが分かります。
Q5 平均1054円と言っても地域によって差がありますよね?
A5 その通りです。最低賃金平均1054円はいつから? これからも上がりそう?岩手の943円が最も低く、東京の1163円が最も高いので、220円の差があります。8時間労働すると1760円、週5日働いたとすれば月35200円の差が生じます。
Q6 最低賃金は上がって欲しいですが、年収の壁に影響がでそうですか?
A6 最低賃金が関係する人は、先に述べたように非正規のパートやアルバイトが多いので、年収106万円以上で扶養から外れることになるので、働き方を抑制する人も出てくるかもしれません。年収の壁の解決も同時にしないと、余計人材不足になってしまいかねないです。生産性をあげることが大事ですが、すぐにはできません。企業も給与抑制をすれば人手不足が解消できず、価格転嫁をすれば物価が上がってしまいます。働き手も働き方抑制となると、収入も減り、経済全体からするとこれも逆方向です。フルタイムで働いたとしても年収200万円にしかならないので、今後も引き続き賃金を上げていかなければなりません。それぞれが新たな対策が必要ですが、政府は全体を見通した政策が必要です。
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