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朴美姫のもっと知りたい、韓国の魅力

朝鮮人参、本当に身体に良いの?

2013年3月22日

北緯30~48°に至る地域に自生する「人参」。人参の産地として最も適切な自然環境の条件を備え、その栽培と加工法の技術を開発し、発展させてきた韓国は高麗人参の「主原産国」とされてきたと言えます。

韓国産人参は別の国の人参と混同される恐れがありますので、欧米では「Korean ginseng」(高麗人蔘)、日本では「朝鮮人参」、韓国では「人蔘」(인삼 インサム)と表記します。根の形が人形状なので、「人蔘」と名づけられました ~。

「人形状の人蔘」 出典:(株)韓国人蔘公社


自生地である朝鮮半島においても、「山蔘 산삼 サンサム」と呼ばれる「天然産」は非常に稀であるので、「人工栽培」されます。一般に4~6年根を収穫しますが、高麗人蔘の主な健康成分はジンセノサイド(サポニンの一種)で、5年根以上の人蔘には、この成分が1~2%ほど含まれているので、韓国「専売品」である高麗人蔘商品の原料として使われるのは「6年根」です。

中国の医学書である『神農本草経』では、薬物を上中下の3品に分類しており、高麗人参は上品に入っているそうです。その薬効については「五臓を保護し、精神を安定させ、目を明るくして、長く服用すると体が軽くなって寿命を延長させる」「毒は全くなく、いくら長く服用しても人体に害のない薬として一番に挙げられるのが高麗人参である。」と記されているそうです。

また、1610年朝鮮時代の「ホジュン 허준」が著した『東医宝鑑 동의보감 トンイボガム』にも「高麗人蔘の性質は暖かく、主に五臓の「気」が足りない際(気虚)の改善、心竅(脳機能)を開いてくれて、記憶力を良くする……」などの記述がみられます。

韓国ドラマ「ホジュン・허준」の一場面


朝鮮人参の薬効の科学的な研究は、1950年代から盛んになり多数の結果が出ています。人参薬効の主成分として現在まで知られている「サポニン」配糖体物質が■抗疲労作用■作業能力増進作用■性腺(生殖腺)の発育促進作用■血糖値降下作用■癌の発生予防への効能などがあることが知られています。

また2010年の国際人参シンポジウムで、アメリカのエモリー大学の「강상무 カンサンム」博士は、人参エキスを毎日投与したネズミは他のネズミに比べ、新型インフルエンザウイルスの感染に対する保護効果を持っているとの研究結果を発表しましたよ ~。

(続 く)

朝鮮時代の医学書『東医宝鑑』


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