海津市の8本手がある八手観音
2016年2月19日
岐阜県海津市海津町日原の長良川添いの道路の角にある、小さなお堂の「高照山観音堂」。
無住で、地域の方が守っているので、普段は扉は閉ざされている。
そのお堂に8本も手がある「八手観世音菩薩(やつでかんぜおんぼさつ)」と、行基作で平景清の守り仏だったとされるご本尊で約5.5cmの「観音菩薩」が見えないけど、いらっしゃる。
特別にお願いしてお堂の中に入れていただいた。真ん中のきらびやかな厨子の向かって右側に何やら大きな仏像が見える。
像高が約2.2mもある八手観世音菩薩立像だ。観音菩薩が変身した千手観音菩薩はよく見るが、八手観音菩薩は初めて見たのでびっくりした。
この像は、1本の木から3体の仏像が作られたうちの1体。他の2体は、海津市平田町蛇家の宝延寺の十一面観音と、海津市池田町片山の善南寺の十一面子安観音(1人の子供を身ごもっている)。善南寺の像は大正時代の火災で焼失したそうだ。
この八手観世音菩薩は、お腹に四角く板がはめられており、板を外すと図に描いたように3体の小さな仏像が入っていた。そのため、この八手観世音菩薩は、3人の子供を身ごもってるとされ、安産にご利益がある「子安観世音菩薩」として知られているそうだ。この像にお願いすると、良い子が生まれるとされる。
黒くなってよくは見えないが、温和なお顔をされている。江戸時代の文化8(1811)年に仏師の幻住仏愚厚代作。谷汲山華厳寺第33世豪真大和和尚の勧進により大阪難波新地嶋之内念仏観音講中が施主となって造像されたそうだ。海津市有形文化財。
厨子の向かって左側には、座禅を組むときのような禅定印を結ぶ「阿弥陀如来」がいらっしゃる。ピカピカ光り、新しそうだ。
お顔がかなり特徴的。頭のコブの肉髻(にっけい)も薄い。少し、離れ気味の目は水晶の玉眼がはめられている。お堂の中は花が祀られ清潔で、地域の方がとても大切に守られてるという感じがした。
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「高照山観音堂」
住所:岐阜県海津市海津町日原
電話:なし
アクセス:県道177号線が清流サルスベリ街道(23号)に突き当たる角
ご開帳:8/9.10の夜8時から9時くらいの観音祭り(要確認)
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