発掘 グッドプレイヤー!「イヒネ・イツアに勝てる」50mを6.1秒で駆ける小牧南高校の韋駄天 鈴木瑛登~大学野球で活躍するOBも紹介~
2022年12月1日
有望高校生を紹介する“発掘 グッドプレイヤー!”のコーナー。
11月23日には木曽川高校・栗本怜投手を紹介。
[記事はこちら]
今回は公立進学校である小牧南高校の韋駄天外野手を紹介します!
イヒネ・イツアに勝てる
福岡ソフトバンクホークスに2022年プロ野球ドラフト会議にて1位指名を受けた誉高校のイヒネ・イツア内野手。
両親がナイジェリア人。走攻守の三拍子が揃い、計り知れない伸びしろから大きな注目と期待を集めている存在。
そのイヒネ選手は50mを6.2秒で駆ける脚力を有するが、「走力ならイヒネくんに勝てる自信があります」と胸を張るのが、今回紹介する小牧南高校・鈴木瑛登外野手(2年)。
[イヒネ選手についてはこちらの記事で紹介]
11月13日(日)、対東郷高校の練習試合を取材へ。
1番センターでスタメン出場した鈴木。
第1打席で「あんなに速い選手は初めて見ました(東郷高校 中川朋樹監督)」と挨拶代わりに自慢の脚力で対戦校を驚かす。
平凡な内野ゴロが安打に
左打席に入った鈴木は積極果敢に打ちに出る。
少し力んだか、打球は平凡な内野ゴロに。打席内で足がもつれて一歩目のスタートが遅れた。捕球して軽快にさばくショート。普通の打者なら悠々アウトの打球だ。
ところが、一塁到達タイム最速3.70秒を誇る鈴木の快足は、送球より早く一塁ベースを陥れる。
この打席の同タイムは筆者のストップウォッチで4.06秒。足がもつれていなければ、3.7~3.8秒台を計測していた可能性が高い。
参考までにプロ野球界の左打者においては、それが4.0秒を切れば“俊足”と認識される。
今シーズン投手として15勝を挙げ、打者として本塁打34本 盗塁11という記録を残し、二刀流がクローズアップされるMLBロサンゼルス・エンゼルス 大谷翔平の2020年一塁平均到達タイムが4.04秒。
MLBで盗塁王経験もあるイチロー選手が平均で3.7~3.8秒と言われ、鈴木の脚力はプロの一線級の選手と比較しても決して引けを取らない。
打撃もシェア
出塁後、すぐさま二盗を決め、3番打者のレフト前ヒットでホームベースを踏む。まさに電光石火の先制点。
続く、第2打席はセンター前に、第3打席はライト前に運び、この日3安打の固め打ちでシェアな打撃を披露。
「1番打者を任されている理由は脚力だけではない」と言わんばかりに、表情を崩さない姿が印象的。もちろん、両打席とも二盗を決めたのは言うまでもない。
プロを目指せ!
現在の高校通算盗塁数は30に迫る鈴木。「最低でも50は盗塁したい」と話す姿には自信が満ち溢れる。
小牧南高校の吉田将人監督は「ソフトバンクからドラフト1位指名を受けたイヒネ・イツア選手と重なり、体つきもシャープ。脚力については負けていないと思います。鈴木にもプロ野球選手を目指しなさいと話しています。伸びしろは大きく、将来性もある。あとはそこに自分で気がついて、努力してほしい」と期待を示すとともに、さらなる成長を促す。
センターオーバーとなった打球に、快足を活かしてあと一歩まで迫った守備範囲の広さも魅力だ。
好きな言葉は“やらないより一歩進んでやる”と自分が決めた道に突き進む鈴木。
野球継続の意思を示した上で、将来については「具体的な職業とかはまだ(決まって)ないですけど、どのような仕事でも積極的に取り組んでいきたい」と常に前を向く。
自身の可能性を信じて、全国屈指の韋駄天と呼ばれるようになってほしい。
愛知大学野球で活躍する小牧南高校OBを紹介
・愛知大学3年 安藤優斗 投手ダイナミックな投球フォームから最速142kmを計測する、青龍刀のような力強いストレートが武器。
今秋季リーグの1部・2部入替戦でも登板。制球力が向上すれば来春1部リーグにて先発を任される可能性大の“剛腕”。
・愛知大学1年 高井翔海 外野手
50m最速6.07秒、同入替戦で2盗塁を決めたその快足は愛知大学の“ジョーカー”的存在。
「高井さんから盗塁のスタートの切り方や、投手の癖の盗みかたを教えてもらいました」と鈴木が憧れる存在。来春はレギュラー奪取に期待。
・日本福祉大学2年 都厚佑 投手
現在の最速は135kmながら、恵まれた体格から将来を嘱望されている有望株。11月20日(日)の強化リーグ、対名古屋経済大学戦に登板。投球回4を無安打無四球に抑え、春に弾みをつけた。
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